支払調書とは?個人事業主の支払調書をわかりやすく

更新日 2026年7月16日

個人事業主にとっての支払調書とは

支払調書とは?

支払調書とは、報酬や料金を支払った人が、「誰にいくら支払ったか」を税務署へ知らせるための書類です。支払いを受けた者がきちんと申告しているかどうか、税務署側で照らし合わせるときなどに使われます。

支払調書には様々な種類がありますが、個人事業主にとって重要なのは「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」です。

支払調書の種類(主な例)

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 原稿料、デザイン料、士業報酬などの支払いを報告する書類
不動産の使用料等の支払調書 土地・建物の賃借料や権利金などの支払いを報告する書類
不動産等の譲受けの対価の支払調書 土地や建物を購入したときの対価を報告する書類
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 不動産売買や貸付の仲介手数料などの支払いを報告する書類
配当、剰余金の分配、金銭の分配及び基金利息の支払調書 法人が支払う配当金、剰余金の分配などを報告する書類

ここからは、個人事業主と関係の深い「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」について詳しく解説していきます。

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出義務

マイナンバー欄付きの支払調書

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」は、"源泉徴収義務者"が下記のような報酬等を支払った場合に税務署へ提出します。源泉徴収義務者とは、ざっくり言うと「法人企業」や「従業員を雇っている個人事業主」のことです。
>> 個人事業主で源泉徴収する義務がある場合・ない場合

支払調書を提出すべき報酬(主な例)

  • 弁護士や税理士への報酬(年間の合計額が5万円を超える場合)
  • 作家やデザイナーの原稿料や画料など(年間の合計額が5万円を超える場合)
  • 外交員、集金人、プロボクサー、ホステスなどの報酬(年間の合計額が50万円を超える場合)
  • プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金(年間の合計額が5万円を超える場合)

>> 国税庁の詳しい説明

源泉徴収義務者が上記の報酬を支払う場合は、必ず支払調書を作成します。作成した支払調書は、基本的には税務署へ提出しますが、年間の支払い金額が規定された金額よりも少ない場合、税務署へ提出する必要はありません。

基本的に、支払い金額は消費税を含めて考えます。ただし、消費税を明確に区分している場合には、その額を含めずに判断しても良いことになっています。

>> 報酬・消費税・源泉所得税の計算方法と計算例について

個人事業主が支払調書をもらう場合【受取側】

あなたが上記に当てはまる報酬をもらった場合、支払側の事業者は支払調書を税務署に提出する義務があります。

ただ、支払側の事業者にとって、あなたに支払調書を送るのは義務ではありません。商慣習として支払調書を送ってきてくれる企業もありますが、送ってこない場合もあるでしょう。
>> 支払調書が送られてこない場合はどうする?

厳密には、個人事業主が受け取るのは支払調書ではなく、支払元の事業者からの任意の「支払通知書」ということになります。なお、支払調書を受け取った場合も、それを確定申告で提出する必要はありません。

送付される支払調書を見れば、「実際に支払われた金額」や「源泉徴収された金額」が確認できるはずです。帳簿付けをサボっていた場合は、これを見ながらまとめて帳簿付けしてもよいでしょう。

個人事業主が支払調書をつくる場合【作成側】

支払調書の対象となる報酬を支払った時に、支払調書を発行する義務があるのは「源泉徴収義務者」です。法人は源泉徴収義務者です。個人事業主の場合、人を雇わずに一人で仕事をしている方は源泉徴収義務者に当てはまりません。

例えば、あなたが従業員を雇わずに一人で仕事をしている個人事業主で、外注でフリーランスのデザイナーに仕事を依頼したとします。この場合、あなたは源泉徴収義務者ではないので、支払う報酬から源泉徴収をする必要はありません。ですので、支払調書を作る必要もありません。
>> 個人事業主で源泉徴収を行う側の情報まとめ

青色専従者やアルバイトなどの従業員がいる個人事業主は「源泉徴収義務者」です。なので、報酬(外注費)の支払については、支払調書を作成する側の立場になります。ただし、上述の通り、年間で一定額以上の支払いをした場合にだけ税務署へ提出します。

支払調書は国税庁のサイトで作成できます。「入力用」と書いてあるほうは、ネット上で金額などを入力してから印刷できます。
>> 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 - 国税庁

支払調書を作る際のポイントまとめ

  • 支払調書を発行するのは「源泉徴収義務者」だけ
  • 個人事業主は、従業員等を雇っていると源泉徴収義務者になる
  • 支払調書は税務署に提出する
  • 外注先への発行はあくまで任意

>> 個人事業主も源泉徴収する?源泉徴収義務者の条件
>> 支払調書はいつ送られてくる?
>> 支払調書が送られてこない場合はどうする?