現物給与(げんぶつきゅうよ)

現物給与とは?

現物給与とは?

現物給与とは、食事の現物支給や賃貸住宅の割安な利用など、金銭以外で受ける経済的利益のことを指します。 給料賃金はお金で支給するのが普通ですが、その他の経済的利益も、「現物給与」として給与扱いになるということです。

例えば、社宅を安く借りたり、食事やユニフォーム・通勤定期券などを支給してもらうことによる経済的利益が「現物給与」です。 現物給与を支給した場合には、その現物を通貨に換算し、現物を受け取った従業員の給与所得の収入金額とします。

現物給与は、4つのケースに大別されます。

  1. 物品をあげたり、安く譲渡する場合
  2. 土地や家を無料で貸したり、安く貸す場合
  3. 福利厚生用施設の利用など、2以外のものを無料で提供するか安く提供する場合
  4. 個人的な債務を、免除か負担する場合

基本的には、現物給与にも所得税がかかります。従業員が現物給与をもらったら、それをお金に換算して、その人の収入(所得)として考える必要があるということです。 ただし、所得税が課税されないものもあります(詳細後述)。

現物給与の標準価額について

先述の通り、現物給与を従業員に与えてあげた場合には、その現物を通貨に換算して、受け取った従業員の給与収入とします。 現物給与の中でもポピュラーな「食事」と「住宅」については、厚生労働大臣が都道府県ごとに、その価額を定めています。

食事の価額 - 平成31年4月1日以降 東京都の場合

1ヶ月1日朝食のみ昼食のみ夕食のみ
21,000円700円180円250円270円

例えば、1ヶ月間、従業員Aさんの食事を提供してあげた場合は、 「Aさんにとって、21,000円の収入として換算してね」ということです。 この21,000円がAさんの所得として加算されるので、その分Aさんの所得税も増えるわけです。

「パートのBさんには、昼食のまかないを10日間提供してあげたよ」という場合は、下記の計算により、 Bさんにとって2,500円分の収入とします。
250円 × 10日分 = 2,500円

全国現物給与価額一覧表 - 平成31年4月1日以降分

全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額)

「食事」の価額は、一番高い東京都で1日21,000円、一番安い長野県などで1日19,200円です(平成31年4月以降分の場合)。

「住宅」については、「1人1ヶ月当たりの住宅の利益の額(たたみ1畳につき)」として価額が定められています。 これも最も高いのが東京で、1ヶ月当たり1畳につき2,590円。最も安いのが青森県で940円です。

現物給与の中でも、よく利用される「食事」と「住宅」については上記の通りです。 その他、自社製品や通勤定期券などの現物給与については、時価によって考えます。時価とは、その時点で売買した場合の価格のことです。

所得税が非課税とされている現物給与と手当

現物給与の中でも、所得税が課税されないものがあります。例えば、従業員が下記のものを支給してもらっても、所得税を課税されません。

所得税が非課税の現物給与 - 主な具体例

  • 通勤用の定期券(1ヶ月あたり15万円までのもの)
  • 仕事に必要な制服、ユニフォーム
  • 結婚祝い金、お見舞い金などで、常識的な金額
  • 取得価額以上で、なおかつ、通常の販売価額の約70%以上の価額で値引販売する商品など
    (いわゆる「社割」や「社販」のこと)
  • 通常の勤務時間外における残業、宿日直者に対して支給する食事

また、現物給与ではなく、手当として金銭で支給する下記のものも、所得税が課税されないことになっています。

所得税が非課税の手当

  • 通勤手当のうち、一定金額以下のもの(電車通勤やバス通勤で、1ヶ月あたり15万円まで)
  • 転勤や出張などのための旅費のうち、通常必要と認められるもの
  • 宿直や日直の手当のうち、一定金額以下のもの

通勤手当として給料を加算されても、その増えた分に所得税はかからないということです。 ただし、社会保険料の算定基準には通勤手当も含まれるので、注意しましょう。 通勤手当が増えると、社会保険料の等級が上がって、納める社会保険料(厚生年金・健康保険)も増えることがあるということです。

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