2025年の確定申告が初めての方へ【個人事業主向け】
更新日 2024年9月06日
初めて確定申告をする個人事業主向けに、会計・税務の重要ポイントを分かりやすく解説します。「そもそも確定申告ってなに?」という人にも分かるように、キホンから具体的な流れまでざっくりまとめています。
- 2025年の確定申告期間
- 「白色申告」と「青色申告」って?
- 確定申告の流れ
- 1. 帳簿付け
- 2. 確定申告書類の作成
- 3. 確定申告書類の提出
- 4. 所得税の納付
- まとめ - 2025年の確定申告手順
2025年(令和7年)の確定申告期間
2025年の確定申告期間は、2月17日(月)~3月17日(月)です。個人事業主は、原則としてこの期間内に「2024年分(令和6年分)」の確定申告を行う必要があります。
そもそも確定申告とは、簡単に言うと「去年は〇〇円の儲けがあったから、△△円の税金を納めます!」と税務署へ申告する手続きです。そして、申告した税額を実際に納付します。
所得税の確定申告【概要まとめ】
- 毎年2月16日~3月15日に「前年分」の確定申告をする(土日祝の場合は翌平日)
- 個人事業主の確定申告では、主に「決算書」と「確定申告書」を提出する
- 「決算書」には、前年中の収入や必要経費の合計額を記入する
- 「確定申告書」には、前年分の所得や所得税額を記入する
- ここで言う「所得」とは、おおよそ「収入 - 必要経費」の金額のこと
- 所得が少ないなどの理由で、確定申告をしなくていい個人事業主もいる
2025年の確定申告では、2024年1月1日~12月31日の収入や必要経費を集計して、そこから「2024年分の所得」を算出します。そして、所得をベースに税額を計算し、「2024年分の所得税」として納付するわけです。
「白色申告」と「青色申告」って?
個人事業主の確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があり、どちらか好きなほうを選べます。
白色申告と青色申告って?
- 白色申告……難易度の低いベーシックな申告方法
- 青色申告……難易度は高いが節税面でメリットのある申告方法(事前申請が必要)
2025年の確定申告で「青色申告」を選択するには、原則として2024年3月15日までに青色申告承認申請書を提出しておく必要がありました(新規開業者は開業後2ヶ月以内に提出すればOK)。この手続きをしていない場合は、自動的に「白色申告」になります。
白色申告と青色申告の特徴【比較表】
白色申告 | 青色申告 | |
---|---|---|
事前申請 | 不要 | 必要 |
帳簿付け | 単式簿記でOK | 単式簿記 or 複式簿記 |
確定申告の 主な提出書類 |
・収支内訳書(2ページ) ・確定申告書 |
・青色申告決算書(4ページ) ・確定申告書 |
節税につながる特典 | とくになし | ・青色申告特別控除 ・赤字の繰り越し ・少額減価償却資産の特例 ・青色専従者給与 など |
青色申告には、節税につながる特典があります。中でも節税メリットが大きいのは「青色申告特別控除」です。青色申告特別控除には3段階のグレード(10万控除・55万控除・65万控除)があり、より大きな節税を狙うなら「複式簿記」による帳簿付けが必須です。
>> 青色申告にも種類がある?記帳方式による違いを比較
ちなみに、初心者にとってはハードルの高い「複式簿記」も、会計ソフトを利用すれば決して難しくありません。ソフトの指示に沿って、いくつかの項目を入力するだけで、複式簿記形式の帳簿を自動的に作成してくれます。
確定申告の流れ
白色申告・青色申告のどちらを選んでも、確定申告の流れは同じです。確定申告に関わる1年間の業務は、大まかに以下の4ステップで完了します。
確定申告の流れ - 帳簿付けから納税まで
- 帳簿付け……………1年間の売上や必要経費を帳簿に記録していく
- 申告書類の作成……帳簿の内容をもとに決算書や確定申告書を作る
- 申告書類の提出……作成した書類を税務署へ提出する
- 所得税の納付………申告書類で算出した所得税額を納付する
ここからは、各ステップのポイントを詳しく説明していきます。
1. 帳簿付け
- 日々の収入や必要経費を帳簿に記録していく
- 帳簿付けは紙でもパソコンでもOK
帳簿付けとは、ごく簡単に言うと「事業に関わるお金の流れを記録する作業」です。事業で売上や経費が発生したら、その都度「日付・金額・内容」などを記帳していきます。具体的なルールは、白色申告と青色申告で異なります。
帳簿付けの方式
白色申告の帳簿付け | 青色申告の帳簿付け |
---|---|
単式簿記でOK 一般的な家計簿などに近い感覚 |
単式簿記 or 複式簿記 複式簿記は知識がないと難しい |
>> 単式簿記と複式簿記の違い
帳簿付けには、紙の帳簿を使っても、パソコンを使っても構いません。昨今では、パソコンの会計ソフトや表計算ソフト(Excel等)を使う個人事業主が多いでしょう。初心者向けの会計ソフトなら、簿記の知識がなくても帳簿付けがしやすい仕組みになっています。
2. 確定申告書類の作成
- 1年間に帳簿付けした内容をもとに、確定申告の提出書類を作成する
- 2024年分の申告書類は「2024年1月1日~12月31日」の帳簿をもとに作る
- 2024年の途中で開業した場合は「開業日~12月31日」の帳簿でOK
- 個人事業主が作成する申告書類は「決算書」と「確定申告書」
- 必要に応じて、その他の添付書類(所得控除の証明書など)も用意する
個人事業主の場合、申告書類は「決算書」から作り始めるのが基本です。決算書の様式には、白色申告用の「収支内訳書」と、青色申告用の「青色申告決算書」があります。
確定申告で提出する決算書
白色申告の場合 | 青色申告の場合 |
---|---|
収支内訳書(2ページ構成) | 青色申告決算書(4ページ構成) |
決算書が完成したら、その内容をもとに「確定申告書」を作成します。確定申告書は「第一表」と「第二表」の2ページ構成です。白色申告でも青色申告でも、確定申告書の様式は変わりません。
確定申告書(第一表・第二表)
個人事業主の確定申告書類は、市販の会計ソフトや国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成するのが一般的です。会計ソフトを使えば、帳簿付けした売上や経費を勝手に集計してくれて、申告書類の大半を自動作成できます。
3. 確定申告書類の提出
- 作成した申告書類を、確定申告期間内に税務署へ提出する
- 2024年の確定申告期間は「2024年2月16日(金)~3月15日(金)」
- 提出方法は、大きく「直接提出・郵送・電子申告(e-Tax)」の3つ
- 帳簿や領収書などの提出は不要
確定申告書類の提出方法は、大きく下記の3種類に分けられます。基本的には、どの方法で提出しても問題ありません。(65万円の青色申告特別控除をねらう場合は「電子申告」がオススメ)
確定申告書類の提出方法
直接提出 | 税務署や確定申告会場に確定申告書類を持っていく 税務署の外にある「時間外収受箱」へ投函してもOK |
---|---|
郵送 | 確定申告書類を封筒に入れて、税務署あてに郵送する 封筒代や切手代は自己負担 |
電子申告 (e-Tax) |
ネットで確定申告書類のデータを国税庁に送信する 会計ソフトや、国税庁の「確定申告書作成コーナー」を使う |
ちなみに、確定申告で提出するのはステップ2で作成した確定申告書類だけです。帳簿や領収書は提出せず、5年~7年にわたって保管しておきます。(>>帳簿・書類の保存について詳しく )
4. 所得税の納付
- 確定申告書で算出した所得税額を実際に納付する
- 2024年の納付期限は「3月15日(金)」
- 窓口での現金納付のほか、口座振替やクレカ払いでの納付も選べる
所得税の納付方法は、おおまかに分けると以下のとおりです。期間内であれば、どの方法で納めても税額に影響はありません。
所得税の納付方法
窓口納付 | 税務署や銀行の窓口で、所定の納付書を使って現金で納付する |
---|---|
コンビニ納付 | コンビニのレジで、納付用のQRコードを使って現金で納付する |
スマホアプリ納付 | 専用サイトからスマホ決済アプリで納付する |
クレジットカード納付 | 専用サイトからクレカ払いで納付する ※1万円ごとに税込83円の手数料がかかる |
振替納税 | 事前申請をしたうえで、口座引き落としによって納付する |
電子納税 | e-Taxのシステムを使って、口座振替やATMで納付する |
「振替納税」を選択した場合は、4月中旬に口座から納税額が自動で引き落とされます。初めて振替納税を利用する場合は、確定申告期限日までに「預貯金口座振替依頼書」を税務署へ提出しておきましょう。
まとめ - 2025年の確定申告手順
2025年(令和7年)の確定申告期間は、2025年2月17日(月)~3月17日(月)です。確定申告のおおまかな手順は下記のとおりです。
確定申告のおおまかな手順【2024年】
- 帳簿付け……………2024年中の売上や必要経費を帳簿に記録していく
- 申告書類の作成……帳簿の内容をもとに「2024年分」の決算書や申告書を作る
- 申告書類の提出……作成した書類を「2025年3月17日(月)」までに提出する
- 所得税の納付………申告書で計算した所得税を「2025年3月17日(月)」までに納める
このうち1~3のステップは、市販の会計ソフトを使うことでかなりラクになります。たとえば、大手3社(弥生・freee・マネーフォワード)が提供するクラウド会計ソフトには、下記のようなメリットがあります。
会計ソフトの主なメリット
- 会計の知識がなくても帳簿付けができる(複式簿記にも対応)
- 「自動仕訳」の機能を使えば、帳簿付けの大半を自動化することもできる
- 記帳内容を自動で集計してくれるから、確定申告書類の作成もラク
- 作成した申告書類を、そのまま国税庁に送信することも可能(電子申告)
- 請求書作成などのサブ機能も充実している
会計業務を効率化したいなら、会計ソフトの導入は必須と言えます。中でも「弥生・freee・マネーフォワード」のクラウド会計ソフトは使いやすいので、確定申告の初心者にオススメです。
大手3社のクラウド会計ソフト【比較一覧表】
弥生 | freee | マネーフォワード | |
---|---|---|---|
料金 (税込) |
白色:無料~ 青色:11,330円/年~ |
12,936円/年~ | 11,880円/年~ |
帳簿付け画面 | |||
確定申告書類の 作成画面 |
|||
自動仕訳機能 | ○ | ○ | ○ |
電子申告機能 | ○ | ○ | ○ |
請求書等の 作成機能 |
○ | ○ | ○ |
対応OS | Windows・Mac |
基本的には、年1万円程度~の利用料金がかかります。しかし、会計業務の効率化によって、本業の生産性が上がることを考えれば、決して高い金額ではありません。3社とも、まずは無料トライアルができるので、実際に操作感を試してみるとよいでしょう。
>> やよいの白色申告 オンライン【詳細記事】
>> やよいの青色申告 オンライン【詳細記事】
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