寄附金控除 - 計算方法やふるさと納税について

更新日 2020年10月19日

寄附金控除の計算や税額控除など

寄付金控除とは?

寄附金控除とは、納税者が特定の寄付をした場合に受けられる控除です。 この場合の寄付は、定められた「特定寄附金」に限られます。

特定寄附金とは
「特定寄附金」とは、国・地方公共団体・公益社団法人などに支払う寄付金のこと
寄附金を支出したとき - 特定寄附金とは - 国税庁

「ふるさと納税」の仕組みは、この寄付金控除を利用しています。 ふるさと納税は「国または地方公共団体に対する寄附金」に該当し、寄付金控除の対象です。 >> ふるさと納税に関する詳細はこちら

個人事業主が寄附金控除を受けるためには、確定申告書の該当欄に必要事項を記入し、寄付の証明となる領収書などを提出します。

寄付金控除の基本的な計算方法

基本的には、寄付額から2,000円を差し引いた金額が、寄附金控除額になります。 「総所得金額等の40% − 2,000円」という上限が設けられていますが、よほど献身的な人でないと当てはまりません。

  • A 特定寄附金の合計 − 2,000円 = 寄附金控除額
  • B その年の総所得金額等の40% − 2,000円 = 寄附金控除額

上記の、どちらか低い方が寄附金控除額になります。大抵の場合は「A」です。 専業の個人事業主で、所得税を計算する例をみていきましょう。 赤文字の「各種控除」の部分に、寄附金控除が当てはまります。

所得税の計算式
収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 控除額 = 所得税額
所得税の税率や控除額の詳細についてはこちら

寄附金控除の計算例

例えば、年間収入 800万円 必要経費 300万円 各種控除 50万円の場合
まずは、寄付をしない場合でみていきましょう。 この収入や経費を上記の計算式に当てはめて、所得税を算出します。

8,000,000 − 3,000,000 − 500,000 = 4,500,000
4,500,000 × 20% − 427,500円 = 472,500

この人の場合、実際に納付する所得税額は472,500円です。 一方、同じ状況の人が50,000円を特定の団体へ寄付したとすると、以下のようになります。 寄付した額から2,000円を引いたものが寄附金控除額になるので、 50,000 − 2,000 = 48,000円 が、寄付金控除額になります。

8,000,000 − 3,000,000 − 500,000 − 48,000 = 4,452,000
4,452,000 × 20% − 427,500円 = 462,900

寄付金控除を加えた場合は、所得税額が462,900円となりました。つまり、50,000円寄付をしたことで、最終的に納付する所得税の金額が、9,600円少なくなったということです。

ちなみに、(寄付額 − 2,000円)× 所得税率 という計算でも同じ結果となります。 2037年(令和19年)までは、所得税の税率に「復興特別所得税」の税率を加えて計算します。

さらに、寄付金控除は住民税の計算にも適用されるので、住民税の納付額も少なくなります。
>> 個人住民税の寄附金税制の概要 - 総務省

寄付金控除の計算方法その2 - 税額控除方式

2011年(平成23年)6月に改正された寄付税制により、 特定の寄付金に対して、税額控除方式が選択できるかたちになりました。 また、同年のNPO法改正により、寄附金控除の対象になるNPO法人も大幅に増加しています。

個人が行った寄付のうち、以下の寄付金に関しては、 先に挙げた所得控除方式による計算か、税額控除方式による計算のどちらかを、みずから選択することができます。

税額控除方式を選択できる寄附金

  • 政治活動に関する寄附金のうち、政党 or 政治資金団体に対する寄附金
  • 認定NPO法人等 or 公益社団法人等に対する寄附金

寄付金を支出したとき - 国税庁

例えば、先の例と同じく、年間収入 800万円 必要経費 300万円 各種控除 50万円の場合で、 認定NPO法人へ50,000円を寄付した場合、税額控除の方式で所得税の納付額を計算すると、以下のようになります。

「認定NPO法人等寄附金特別控除」の金額は、次の計算式でもとめることになっています。
(寄附金の合計額 − 2,000円) × 40% = 控除額

50,000 − 2,000 = 48,000円
48,000 × 40% = 19,200円(この金額を所得税からそのまま差し引くことになります。)

8,000,000 − 3,000,000 − 500,000 = 4,500,000
4,500,000 × 20% − 427,500円 = 472,500(寄附金控除を差し引く前の所得税額)

472,500 − 19,200 = 453,300(所得税額)

同じ50,000円の寄付でも、所得控除に算入した場合は9,600円の節税となっていました。 一方、こちらの税額控除の方式で計算した場合には、19,200円の節税となったわけです。 このように、大抵の場合は税額控除に算入した方がお得になります。

ただし、税額控除で計算ができる特定の寄付金にあてはまるのは、上記のいずれかに当てはまる寄付金だけです。 例えば、ふるさと納税は「国または地方公共団体に対する寄付金」に当てはまるので、税額控除で計算することはできません。 ふるさと納税の寄附金控除は、先に挙げた所得控除の方式で計算をします。

ふるさと納税による寄附金控除

今では広く知られている「ふるさと納税」も寄附金控除の対象になります。ふるさと納税とは、任意の地方自治体に寄付できる制度です。 納税という言葉がついていますが、地方自治体に支払う金額は「寄付」とみなされます。

ふるさと納税の仕組み - 個人事業主編

寄付金は控除の対象であって、必要経費としては計上できません。 ふるさと納税で払ったお金を帳簿づけするのであれば「事業主貸」の勘定科目を利用しましょう。

【ふるさと納税のポイント】

  • 寄付金控除の対象となる
  • 寄付する金額に応じて地域の特産品などをもらえる
  • 寄付先は生まれ故郷でなくてOK(複数の自治体に寄付することも可能)
  • 税金の使い道を自分で選択できる

ふるさと納税を上手に活用すれば、 実質2,000円の自己負担で各地方の名産品を受け取ることができます。 この制度の賛同者からは「ふるさと納税は利用しなければ損」と言われるほどのものです。 基本的には、所得が多ければ多いほど、納税者の得になる制度です。

例えば、30,000円の寄付をして、地方の名産品を受け取り、 所得税と住民税で合わせて28,000円分納税額の軽減を受けるというようなことが可能です。 つまり、実質2,000円の自己負担で名産品を受け取ることができるのです。 ※ その人の所得などに応じて、軽減される金額の上限が異なります。

名産品・特産品というと食べ物や工芸品を連想しがちですが、最近のふるさと納税ではお礼の品として家電や旅行券、各種イベントチケットなども用意されています。

ふるさと納税を推進するウェブサイトから、ふるさと納税の申し込みを行うのが一般的です。

ふるさと納税の返礼品えらびから納税までできる大手サイト

サイト名サイトの特徴
ふるさとチョイス取り扱い自治体数No.1の最大手サイト
さとふるおすすめの特産品がランキング形式で選べる
ふるなび家電や日用品といった特産品が充実している

上記のウェブサイトで、それぞれの納税者の実情に即した控除上限額のシミュレーションをすることができます。 寄付の際、目安にしてみて下さい。

ふるさと納税の期限は、毎年12月末です。 12月末までにふるさと納税をすることにより、その年の所得控除に加算することができます。 各自治体の都合により、12月中旬で年内の受付を終了するところもあります。

>> 個人事業主のふるさと納税についてもっと詳しく
>> ふるさと納税した場合の確定申告書Bの書き方
>> 所得控除の種類一覧へ