生命保険料控除 - 保険料の計算や控除限度額など
更新日 2024年9月06日
生命保険料控除とは、納税者が一定の生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を支払った場合に受けられる控除です。
- 対象となる生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料
- 平成24年に対象となる保険が拡大された
- 年間の支払保険料と控除限度額について
- 生命保険料控除の計算例
- 具体的にどの保険に入るかはFPに聞くのがおすすめ
対象となる生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料
この「生命保険料控除」の対象になる、生命保険・介護医療保険・個人年金保険は、 いずれも納税者が任意で保険会社と契約した一定の保険のことを指します。 つまり、国民年金や国民健康保険はこれに該当しません。 国民年金と国民健康保険は、生命保険料控除ではなく「社会保険料控除」として控除されます。
個人年金とは、個人的に任意で積み立てる年金のことです。 国民年金(個人事業主の場合)や厚生年金(会社員の場合)などでは物足りない場合に、 このような公的年金の上乗せとして民間企業と契約する年金です。
個人事業主が加入できる「個人型確定拠出年金(iDeCo)」は、この生命保険料控除の個人年金の枠ではなく「小規模企業共済等掛金控除」として控除されます。個人事業主の確定拠出年金は、月5,000円〜月68,000円の範囲で掛金を設定でき、払い込んだ全額が控除されます。
平成24年に対象となる保険が拡大された
生命保険と個人年金保険は、2012年(平成24年)を境にして保険契約を新旧に区別しています。 これから保険に入る人は「新」のほうに当てはまります。
- 新契約 2012年(平成24年)1月1日以後に締結した保険契約
- 旧契約 2011年(平成23年)12月31日以前に締結した保険契約
これから保険に入る方は、下表の「新」の行だけ参照して下さい。 「旧」の行を参照する必要はありません。
新 | 新生命保険料 (最高4万円) (遺族保障等) | 介護医療保険料 (最高4万円) (介護保障、医療保障) | 新個人年金保険料 (最高4万円) (老後保障等) |
---|---|---|---|
旧 | 旧生命保険料 (最高5万円) (遺族保障等、介護保障、医療保障) | 旧個人年金保険料 (最高5万円) (老後保障等) |
生命保険料控除の適用限度額は12万円です。
新 + 新 + 新 = 最高12万円
旧 + 旧 = 最高10万円
新旧まぜまぜ = 最高12万円(下記の3を参照)
年間の支払保険料と控除限度額について
これから保険に加入する方は、下記の「1 新契約に基づく場合の控除額」のみ参照すればOKです。つまり、新生命保険料で最高4万円、介護医療保険料で最高4万円、新個人年金保険料で最高4万円、 この3つの合計12万円が、生命保険料控除の適用限度額ということです。
1 新契約に基づく場合の控除額(平成24年1月1日以降にした契約)
年間の支払保険料等 | 控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 全額 |
20,000円 ~ 40,000円 | 支払保険料等 × 50% + 10,000円 |
40,000円 ~ 80,000円 | 支払保険料等 × 25% + 20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
以下の2つは、平成23年以前に契約した保険や個人年金がある方のための情報なので、 当てはまらない方は読み飛ばして頂いて構いません。
2 旧契約に基づく場合の控除額(平成23年12月31日以前にした契約)
年間の支払保険料等 | 控除額 |
---|---|
25,000円以下 | 全額 |
25,000円 ~ 50,000円 | 支払保険料等 × 50% + 12,500円 |
50,000円 ~ 100,000円 | 支払保険料等 × 25% + 25,000円 |
100,000円超 | 一律50,000円 |
3 新契約と旧契約の双方に加入している場合の控除額
適用する生命保険料控除 | 控除額 |
---|---|
新契約のみ | 1に基づいて出した額 |
旧契約のみ | 2に基づいて出した額 |
新契約と旧契約の両方を適用 | 1と2の合計額(最高4万円) |
生命保険料控除の計算例
例えば、生命保険に年間6万円、個人年金に年間20万円支払っているとしましょう。 これらの保険は、平成24年以降に契約したものとします。 この場合の生命保険料控除額は、以下のように計算します。
1 新契約に基づく場合の控除額(平成24年1月1日以降にした契約)
年間の支払保険料等 | 控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 全額 |
20,000円 ~ 40,000円 | 支払保険料等 × 50% + 10,000円 |
40,000円 ~ 80,000円 | 支払保険料等 × 25% + 20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
まずは生命保険。年間6万円掛けているので、表の下から2番目に当てはまることが分かります。
表の下から2番目に支払保険料をあてはめて、計算しましょう。
60,000 × 0.25 + 20,000 = 35,000円
次に個人年金。こちらは年間20万円支払っているので、80,000円超ということになります。 なので、こちらの控除額は40,000円です。
生命保険35,000円 + 個人年金40,000円 = 75,000円
よって、この人の生命保険料控除額は75,000円ということになります。
今回は生命保険と個人年金にだけ入っている設定で計算しましたが、 介護医療保険にも入っている場合は、同じように介護医療保険の分も計算して加えます。
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