POSレジとは?モバイル決済におけるポスレジについて
更新日 2024年11月14日
POSレジとは、販売情報を管理し、売上データを分析する機能を備えたレジのことです。最近では、タブレットやスマホをPOSレジとして使う店舗も増えています。同じくタブレットやスマホを用いて運用するモバイル決済とは、何が違うのでしょうか。
- POSレジとは?従来型レジスターとの違い
- POSレジは大きく4種類に分かれる
- タブレット型POSレジのメリット
- タブレット型POSレジの導入に必要なもの
- タブレット型POSレジの使い方
- POSレジとモバイル決済サービスの連携について
- POSレジアプリとモバイル決済サービスの対応状況
- まとめ
POSレジとは?従来型レジスターとの違い
POS(ポス)とは「Point Of Sales」の略で、「販売時点の情報管理」という意味です。顧客が購入した商品の値段や個数、商品名などを自動で読み込み、データを管理する機能を持つレジスターのことを「POSレジ」と呼びます。
従来のレジスターでは、代金の精算や記録のみを行っていました。POSレジなら、従来型のもつ機能のほか、どのような顧客が商品をいつ購入したかなどのデータを収集し、分析できます。それをもとに、販売戦略を立てられるのです。
このあたりの説明は、スマレジが提供している「POSレジの教科書」に分かりやすくまとまっています。「そもそもPOSレジって何なん?」という方は、ちょっと目を通してみるとよいでしょう。アドレスなどを入力すれば、無料ですぐにダウンロードできます。
POSレジは大きく4種類に分かれる
ターミナル型 | パソコン型 | ハンディターミナル型 | タブレット型 |
---|---|---|---|
従来のレジにPOSシステムが備わったもの | パソコンにPOSシステムのソフトをインストールして使うもの。データはサーバで管理 | 持ち運びができる手のひらサイズの端末 | タブレットやスマホにPOSレジアプリをインストールしたもの。データはクラウドに保存される |
はじめに、従来のレジスターのように大きくて重いターミナル型のPOSレジが登場しました。コンビニやドラッグストアにあるPOSレジが、ターミナル型です。のちに、パソコンにPOSレジソフトをインストールして使うパソコン型、手持ちサイズで持ち運べるハンディターミナル型などが誕生しました。
近年では、アプリをインストールするだけでPOSレジとして利用できる、タブレット・スマホ型のPOSレジに注目が集まっています。手軽で扱いやすいほか、モバイル決済サービスでキャッシュレス決済に対応できるのも特徴のひとつです(詳細は後述)。今回は、このタブレット・スマホ型のPOSレジについて説明していきます。
タブレット型POSレジのメリット
従来のレジスターと比べると、タブレット型のPOSレジには以下のような特徴があります。
- 導入コストが低い
- 商品の売れ筋がわかる
- 会計の効率化
- 省スペースで持ち運び可能
- モバイル決済サービスや会計ソフトと連携できる
導入コストが低い
従来のレジスターの場合、レジ自体の費用が10万円以上かかります。ターミナル型のPOSレジでも、システムの導入費などを含めると初期費用だけで100万円を超えてしまうこともあります。
タブレット・スマホ型POSレジの場合、手持ちのスマホなどを利用すればレジ自体の費用は無料。POSレジアプリも無料でインストールできるものがほとんどなので、低コストで導入できます。
商品の売れ筋がわかる
POSレジの魅力のひとつに、どれが人気商品なのかリアルタイムで把握できることが挙げられます。売れ筋だけでなく死に筋の商品もひと目でわかるので、入荷する個数の目安にもなるのです。アプリによっては、グラフなどで確認できます。
会計の効率化
あらかじめ商品の値段や情報を登録しておき、会計時に読み取ってやり取りをするので、手打ちレジのよりもスピーディにレジ打ちができます。また、金額を自分で入力しないので、打ち間違えなどのミスも格段に減ります。
省スペースで持ち運び可能
本体は薄くて軽く、ケーブルなども不要のため、簡単に持ち運べます。飲食店の場合、顧客のテーブルで会計を済ませることもできますね。屋内だけでなく、野外でも利用が可能です。
モバイル決済サービスや会計ソフトと連携できる
モバイル決済サービスでは、クレカなどのキャッシュレス決済をひととおり受け付けられます。POSレジアプリと連携すれば、レジでのキャッシュレス対応がより便利になります。
会計ソフトとは、帳簿づけをパソコン上で行えるシステムのことです。POSレジアプリの場合、クラウド型会計ソフトと連携することで、レジの売上データを自動的に記帳してもらえます。
タブレット型POSレジの導入に必要なもの
タブレット・スマホ型のPOSレジを導入するために必ず用意しなくてはならないのが、タブレットやスマホなどのモバイル端末。どちらでもPOSレジとして運用できますが、画面が大きいタブレットのほうが操作しやすいです。
手持ちのものがあれば、無料でPOSレジを導入できます。ただ、アプリによっては「iOS端末のみ対応」や「iPadのみ対応」など、対応機種が限られている場合もあるので、注意しましょう。
また、業種によっては、おつりや受け取ったお金を収納するキャッシュドロアやレシートプリンター、カードリーダーなどを用意するとよいでしょう。用意にかかるおおよその金額感を知りたい人は、「スマレジ」の資料も参考にしてください。
タブレット型POSレジの導入手順
①POSレジアプリをインストール | インストールは基本的に無料 アプリが端末に対応していないとインストールできないので注意 |
---|---|
②アプリのアカウント登録 | はじめにアカウントの登録をする あらかじめパソコンなどで作成しておくとスムーズ |
③商品を登録 | 商品の名前や値段、カテゴリなどを入力 アプリによっては画像も登録できる |
商品を登録するほか、レシートに記載する内容を事前に設定しておきましょう。店舗の名前や住所、電話番号などを登録できます。アプリ次第ではアンケートを設定できるものもあり、顧客からサービスの評価や意見を受け取れます。
タブレット型POSレジの使い方
商品の登録が完了すれば、タブレットやスマホをレジとして運用できます。顧客から現金で代金を受け取り、タブレット・スマホ型POSレジで会計する流れをまとめました。
タブレット型POSレジで現金決済をする方法
①会計情報を入力 | 会計する商品をアプリに入力すると合計金額が表示される |
---|---|
②決済方法の選択 | 現金決済を選ぶ |
③顧客から代金を受け取る | 顧客から受け取った金額を確認 |
④受け取った金額を入力 | 預かり金額を入力すると、おつりをアプリ上で自動計算 |
⑤おつりを渡す | おつりがある場合、表示された金額を顧客に渡す |
⑥レシートを渡す | レシートプリンターでレシートを発行 |
ターミナル型やパソコン型のPOSレジと同じようにやり取りします。このとき、販売した商品や顧客の情報は、決済のタイミングでクラウド上に保存されます。
専用のレシートプリンターを連携させていれば、紙レシートの印刷が可能です。アプリによっては紙のレシートは発行せず、メールやSMSなどで電子レシートを送信できるものもあります。
POSレジとモバイル決済サービスの連携について
POSレジはモバイル決済サービスと連携できるといいました。そもそもモバイル決済サービスとは何なのか、POSレジとはどう違うのか、確認してみましょう。
POSレジとモバイル決済サービスの違い
POSレジ | モバイル決済サービス | |
---|---|---|
概要 | データ管理機能のあるレジスター | キャッシュレス決済への対応方法を 提供してくれるサービス |
可能な事柄 | 売り上げや在庫管理 データ収集と分析 | クレジットカード決済 電子マネー決済 QR・バーコード決済 |
例 | Airレジ スマレジ STORES レジ Square POS ユビレジ |
Airペイ PAYGATE STORES 決済 Square 楽天ペイ |
決済端末(カードリーダーなど)は、モバイル決済サービスへ申し込めば手に入ります。サービスによっては、無料で使える場合もあります。
POSレジアプリをインストールしたタブレットやスマホと、モバイル決済サービスの決済端末を連携すれば、キャッシュレス決済への対応がスムーズになります。連携方法はサービスごとに異なりますが、たいていはBluetoothやWi-Fiを使ってサクッと済ませられます。
クレジットカード決済を例に、POSレジアプリとモバイル決済サービスを連携させた時の会計フローを確認しましょう。
会計の流れ - POSレジアプリとモバイル決済サービスを連携した場合
手順 | 担当 | 概要 |
---|---|---|
①会計情報を入力 | POSレジ | 会計する商品をアプリに入力すると合計金額が表示される |
②決済方法の選択 | POSレジ | クレジットカード払いを選択 |
③カード情報を読み込む | モバイル決済 | 連携している決済端末でカード情報を読み込む |
④決済完了 | POSレジ | 決済が完了すると商品や顧客の情報がクラウドに送信される |
クレジットカードのほか、「PayPay」などのQR決済や「Suica」などの電子マネーにも対応可能です。③での手順は決済によって異なりますが、全体的な流れはいずれも上記と同じです。
POSレジアプリとモバイル決済サービスの対応状況
各POSレジアプリでは、どのモバイル決済サービスの決済端末と連携できるのかまとめてみました。
POSレジとモバイル決済の対応表
Airペイ | PAYGATE | STORES決済 | Square | 楽天ペイ | |
---|---|---|---|---|---|
Air レジ | ○ | ☓ | ☓ | ○ | ☓ |
スマレジ | ☓ | ○ | ○ | ○ | ○ |
STORES レジ | ☓ | ☓ | ○ | ☓ | ☓ |
Square POS | ☓ | ☓ | ☓ | ○ | ☓ |
ユビレジ | ☓ | ☓ | ○ | ○ | ○ |
Bionly | ☓ | ☓ | ○ | ○ | ○ |
Orange Operation | ☓ | ☓ | ○ | ○ | ○ |
poscube | ☓ | ☓ | ○ | ○ | ○ |
「Airレジ、スマレジ、STORES レジ、Square POSレジ」では、それぞれ自社でもモバイル決済を提供しています。特にこだわりがなければ、同じ会社のもの同士を使うのがラクです。
POSレジアプリは、飲食店向けや美容室向け、小売店向けなど、アプリによって得意な分野が異なります。自分の業種に合ったものを選びましょう。
まとめ
POSレジとは、代金の支払い状況を管理するほかにも、商品や顧客の情報を自動で記録する機能を備えたレジのことです。今回は、タブレットやスマホを使ったPOSレジに注目しました。
タブレット・スマホ型POSレジの概要
必要なもの | タブレットorスマホ | |
---|---|---|
特徴 | 導入コストが低い 商品の売れ筋がわかる 会計の効率化 省スペースで持ち運び可能 モバイル決済サービスや会計ソフトと連携 |
|
導入手順 | ① モバイル端末にPOSレジアプリをインストール ② アプリのアカウント登録 ③ 商品を登録 |
|
利用方法 | 現金決済の方法 | ① 会計情報を入力 ② 決済方法の選択 ③ 顧客から代金を受け取る ④ 受け取った金額を入力 ⑤ おつりを渡す ⑥ レシートを渡す |
キャッシュレス決済の方法 (例:クレカ決済) |
① 会計情報を入力 ② 決済方法の選択 ③ カード情報を読み込む ④ 決済完了 |
|
例 | Airレジ スマレジ STORES レジ Square POS ユビレジ |
POSレジアプリをインストールするだけで、手持ちのタブレットやスマホをPOSレジとして運用できます。レジスターの機能以外にも、収集した商品や顧客のデータを分析して、販売戦略に活かすことも可能です。
POSレジアプリとは別に、モバイル決済サービスを導入すると、さまざまなキャッシュレス決済へ対応できるようになります。対応するPOSレジアプリと連携すれば、キャッシュレスでのお会計をよりスムーズにできます。