SOHO - 家賃や水道光熱費は経費にできる?
更新日 2024年7月31日
SOHOとは? - 自宅を仕事場にするスタイル
SOHO(ソーホー)とは、「Small Office Home Office」の略称です。こじんまりとした自宅オフィス・自宅兼事務所のことを指します。「事務所や店舗を構える必要はない」「パソコンとインターネットさえあれば仕事ができる」というフリーランスは、このSOHOスタイルです。
SOHOに向いている職業の例
- デザイナー
- イラストレーター
- ライター
- カメラマン
- 編集者
- 翻訳家
- プログラマー
- システムエンジニア
- WEBディレクター
- リサーチャー
- コンサルタント
- マーケター
- 税理士
- 弁護士
- 音楽家
- Youtuber
もともと住んでいる家をオフィスとして扱うことで、初期費用と維持費をおさえることができます。 毎月の家賃や光熱費など、余分な固定費が増すこともないので、小資本の個人事業主にはもってこいの形です。
SOHOの経費 - 家賃や水道光熱費など
SOHOの場合、自宅の家賃や電気代は、生活用と事業用の割合に応じて、一部を経費計上できます。これを経費の「按分」あるいは「家事按分」と言います。
例えば、賃貸住宅で自宅の一部屋を事業用として使っている場合、仕事部屋の面積が自宅全体の2割を占めるとすれば、 家賃の2割を「地代家賃」として経費に計上できます。
按分の比率は、なんとなくではダメで、合理的な根拠をもっておく必要があります。
一般的には、作業場の面積比率や営業時間の割合などで按分します。
>> 按分とは?地代家賃での按分例・方法など
SOHOで按分できる経費の例
賃料に限らず、ひとつのものを個人用と事業用で併用しているもので、使用割合が明確に分けられるものは、按分することによりその一部を経費計上できます。
按分により一部を経費計上できる費用の例
いずれの費用も、事業運営に必要な割合だけ経費計上するというのが大前提です。 万が一、税務調査が入る場合の追求にも応じられるよう、客観的に納得のいく根拠を用意しておきましょう。
SOHO家賃の仕訳例 - 家事按分
例えば、賃貸住宅で自宅の一部屋を事業用として使っていて、 仕事部屋の面積が自宅全体の3割、残り7割のスペースが事業主の居住空間とします。
仮に月々の家賃が10万円の場合には、3万円を「地代家賃」として経費にし、残り7万円は「事業主貸」の勘定科目を使ってプライベートな出費とします。 これを複式簿記で仕訳すると、下記のようになります。
手書きで帳簿づけする場合
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
20XX年3月31日 | 地代家賃 30,000 | 普通預金 100,000 | SOHO家賃 |
事業主貸 70,000 |
上記の仕訳は「家賃として10万円を銀行口座から振り込んだ。そのうち3万円は地代家賃として経費計上し、残りの7万円は事業主貸としてプライベートな出費とする」ということを表します。経費としてカウントされるのは3万円だけで、7万円は経費にカウントされません。
会計ソフトで帳簿づけする場合
毎月按分の処理をするのが面倒な方は、1年分を全て事業主貸として処理していき、 年末の12月31日にまとめて年間家賃の3割を地代家賃に振り替える方法でも構いません。 その場合は、年末に按分処理して経費計上するのを忘れないように注意しましょう。
>> 按分とは? - 按分の基準と具体例について
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