ひとり親控除とは?条件・所得制限・寡婦控除との違いを分かりやすく
更新日 2026年6月12日

- ひとり親控除とは?
- 条件① 独身であること
- 条件② 合計所得金額が500万円以下であること
- 条件③ 生計を一にする子供がいること
- 【補足】寡婦控除・寡夫控除の改正について
- まとめ - こういう場合は受けられる?【ケース別】
ひとり親控除とは?
ひとり親控除とは、ひとことで言うと「所得500万円以下のシングルマザー・シングルファザー」のための所得控除です。控除額は一律35万円で、下記の要件をすべて満たす場合に受けられます。
ひとり親控除の適用条件(すべて満たす人が対象)
- 独身であること
- 合計所得金額が500万円以下であること
- 生計を一にする子供がいること
ひとり親控除の要件に、結婚歴の有無は関係ありません。「未婚のひとり親」も「離婚をしたひとり親」も、上記の要件を満たしていれば適用できます。なお「寡婦控除」と要件が似ていますが、ひとり親控除と寡婦控除を同時に受けることはできません。
【補足】寡婦控除・寡夫控除との関係
ひとり親控除は、令和2年度の税制改正によって新設されました。これに伴い、寡婦控除は対象者が縮小され、寡夫控除は廃止されています。したがって、現在のシングルマザー・シングルファザーが「寡婦控除・寡夫控除」を受けることはできず、代わりに「ひとり親控除」の対象になります。(詳しくは記事の後半で)
条件① 独身であること
結婚歴の有無に関係なく、「いま結婚していないこと」が大前提です。独身かどうかは「控除を適用する年」の12月31日時点の状況で判断します。

たとえば、2025年分の確定申告でひとり親控除を受けるなら、「2025年12月31日」の時点で独身でないとNGということです。実際に確定申告を行う時点では、結婚していても問題ありません。
住民票に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載があるとNG
婚姻届を出していなくても、住民票に「夫(未届)」や「妻(未届)」と記載されていると「婚姻関係と同様の事情にある」と見なされます。この場合、ひとり親控除は受けられません。(「未届」と表示するための手続きをしていなければ気にしなくてよい)
条件② 合計所得金額が500万円以下であること
「合計所得金額」が500万円を超える人は、ひとり親控除を受けられません。「合計所得金額」とは、簡単に言うと「10種類の所得をひっくるめた金額」のことです。
そもそも1種類の所得(給与所得や事業所得など)しか得ていない場合は、単純にその金額が500万円以下ならセーフです。ただ、複数の所得を得ている人は、下図のような流れで「合計所得金額」を考える必要があります。

図中の「損益通算」とは、一定のルールに従って「赤字の所得」と「黒字の所得」を相殺する処理のことです。たとえば、600万円の給与所得があっても、不動産所得が200万円の赤字なら、合計所得金額は400万円(600万 - 200万)になります。
離婚による慰謝料や養育費は所得に含めない
離婚をした人は、元配偶者から慰謝料や養育費を受け取っているかもしれません。しかし、これらの金額は「合計所得金額」に含めなくてOKです。慰謝料や養育費には税金がかからないので、所得の計算に含めなくてよいのです。(金額があまりに高額な場合等を除く)
条件③ 生計を一にする子供がいること
これは、ざっくり言うと「あなたは子供を養っていますか?」と問う要件です。言い換えると、"あなたの子供"が下記の要件をすべて満たしている必要があります。
子供が満たすべき3つの条件
- あなたと生計を一にしている
- 総所得金額等が62万円以下である
- あなた以外の「同一生計配偶者」や「扶養親族」になっていない
あなたと生計を一にしている
「生計を一にする」とは、「同じ財源で生活している状態」を指す言葉です。子供と同居しているなら、基本的に「生計を一にしている」と考えて構いません。別居でも、常に生活費の仕送りをしていれば「生計を一にしている」と認められる場合があります。
総所得金額等が62万円以下である
そもそも子供に収入が無いなら、この要件は気にしなくてよいです。子供にアルバイト収入があるときは、その年収が136万円を超えないかチェックしましょう。アルバイト収入(給与収入)が年間136万円を超えると、「総所得金額等」は62万円を超えてしまいます。
ちなみに、この「総所得金額等が62万円以下」という金額は、2026年分と2027年分のひとり親控除における基準です。以前は「58万円以下」という基準でした。なお、2028年分からは、また基準額が変更される見込みです。
あなた以外の「同一生計配偶者」「扶養親族」でない
これは、要するに「子供があなた以外の親族に養われているとNGですよ」という意味です。「扶養親族」の判定は難しい部分もあるので、迷ったら税務署などで相談しましょう。なお、子供が独身なら「同一生計配偶者」については無視して構いません。
【補足】寡婦控除・寡夫控除の改正について
2019年分の確定申告まで、一部のシングルマザー・ファザーは「寡婦控除・寡夫控除」の対象となっていました。しかし、ひとり親控除の新設に伴い、寡婦控除は範囲が縮小され、寡夫控除は廃止されています。
あくまで簡易的な図ですが、シングルマザー・ファザーが受けられる所得控除は、以下のように変わったわけです。2019年分の申告まで寡婦・寡夫控除を受けていた人は注意しましょう。

具体的に言うと「従来の寡婦控除における“特別の寡婦”に相当する女性」と「従来の寡夫控除の対象者に相当する男性」が、ひとり親控除の対象に移行しています。
改正後も、女性向けの「寡婦控除」という所得控除は存続しますが、ひとり親控除と同時に受けることはできません。ひとり親控除の「生計を一にする子供がいる」という要件を満たす時点で、寡婦控除の対象からは除外されるためです。
>> 改正後の寡婦控除について詳しく
2019年分以前の申告では従来の寡婦・寡夫控除を受ける!
2019年分以前の所得について還付申告などをする際は、改正前の制度に従う必要があります。ひとり親控除を適用できるのは「2020年分以降の所得」について申告をするときだけです。
まとめ - こういう場合は受けられる?【ケース別】
ひとり親控除は、令和2年度の税制改正で新設された所得控除です。控除額は35万円で、下記の要件をすべて満たす人が受けられます。
ひとり親控除の条件(すべて満たす人が対象)
- 独身であること
- 合計所得金額が500万円以下であること
- 生計を一にする子供がいること
要件は上記の3つだけですが、解釈が難しいポイントもあります。「こういう場合は要件を満たせるのかな?」と迷いそうなケースをまとめたので、判断の参考にしてください。
「確定申告の1週間前に結婚しちゃった…」→ OK!
①の要件は「ひとり親控除を適用する年の12月31日時点」の状況で判断します。たとえば、2025年分の確定申告では、「2025年12月31日時点」の状況が重要だということです。実際に確定申告を行う時点では、結婚していても構いません。
「そもそも自分も親に養ってもらっている…」→ NG
あなたが親の収入で暮らしているなら、あなたの子供は「あなたの親の扶養親族」に該当する可能性が高いです。③の要件には「子供が他の人の扶養親族でないこと」ということが含まれているので、その場合、ひとり親控除は受けられません。
「生活に十分なお金を送ってるけど、親権は無い…」→ 状況による
子供の親権が自分に無くても、ひとり親控除の判定に直接的な影響はありません。一緒に暮らしていなくても、十分な送金をしていれば「生計を一にしている」と認められる可能性があります。ただ、個々の状況による部分なので、詳しくは税務署などで相談しましょう。
>> 扶養控除について - 16歳以上の扶養親族がいる場合の控除
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>> 所得控除の種類まとめ【一覧表】