CAT端末とは?モバイル決済との比較
更新日 2024年8月29日
CAT端末とは「顧客のカードが有効なものか」を確認してくれるクレジットカードリーダーのこと。CATは「Credit Authorization Terminal」の略称。日本語に訳すと「信用照会端末」。「CAT端末」と呼ばれることが多いですが、正確には「CAT」です。
- CAT(キャット)の基本
- CATに代わる「モバイル決済」
- 導入方法と決済手順 - CAT決済とモバイル決済
- カードリーダーのタイプ - CAT決済とモバイル決済
- 接続回線の違い - CAT決済とモバイル決済
- CAT決済とモバイル決済の比較まとめ
CAT(キャット)の基本
冒頭で示した通り、クレジットカードの有効性を確認する決済端末機が「CAT」です。カードを読み取って、以下のようなことを確認できます。このチェックが「オーソリゼーション(Authorization)」。略して「オーソリ」と呼ばれます。
CATで確認できること
- カードが限度額に達していないか
- カードの有効期限は切れていないか
- 不正な利用ではないか
よくお店のレジの横に設置されている端末、あれがCATです。レジ横に固定されている据置型のほかにも、持ち運びができるポータブル型などがあります。
CATに代わる「モバイル決済」
従来、CATは電話回線でオーソリするものが主体のため、導入の際に工事を行うことがあります。工事費などを考慮すると、中小法人や個人事業主には導入しづらい印象があるのではないでしょうか。
そこで注目されているのが、低コストで簡単にカード決済が導入できる「モバイル決済」です。モバイル決済とは、スマホなどのモバイル端末と専用のカードリーダーを接続してCATの代わりに利用する、新たな決済方法です。 >> 主要なモバイル決済サービス
オーソリを行う端末をCATと呼ぶので、モバイル決済で使う端末もCATのひとつと言えます。ここでは区別するため、据置型のCATを使って決済する従来のタイプを「CAT決済」、モバイル端末と専用カードリーダーで決済するものを「モバイル決済」と呼び、それらの違いを解説していきます。
導入方法と決済手順 - CAT決済とモバイル決済
まず、CAT決済とモバイル決済を導入する方法と、店頭での決済手順の違いを比較してみましょう。
導入方法と決済手順を比較
CAT決済 | モバイル決済 | |
---|---|---|
用意するもの | CAT | モバイル端末 専用カードリーダー |
導入方法 | ① 決済代行会社に申し込み ② 審査開始(数週間~1か月) ③ 通過後、配線工事を実施 ④ CAT設置 | ① 公式サイトで申し込み ② 審査開始(当日~2週間程度) ③ 通過後、アプリをインストール ④ モバイル端末とリーダーを接続 |
決済手順 | ① CATで顧客のカード情報を取得 ② 金額や支払い回数を入力 ③ オーソリでカードの有効性を確認 ④ 売上票(レシート)を出力 ⑤ 顧客からサインをもらって決済完了 | ① モバイル端末のアプリで金額を入力 ② カードリーダーでカード情報を取得 ③ オーソリでカードの有効性を確認 ④ 売上票(レシート)を出力 ⑤ 顧客からサインをもらって決済完了 |
用意するもの
CAT決済の場合、カード情報の取得からオーソリ(カードの有効性の確認)、決済完了までをCAT単体で行うことができます。
モバイル決済では、カード情報を読み込むのはカードリーダーです。一方、オーソリや決済の手続きは、モバイル端末にインストールしたアプリで行います。
導入方法
どちらも基本的な導入方法は変わりません。サービスに申し込みをして、カードの審査に通ればサービスが利用できるといった流れです。ただ、CAT決済の場合、配線工事を行うと導入までに1~2か月ほど時間がかかることがあります。
CAT決済を導入するとき、決済代行会社に申し込む以外には、カード会社と直接契約をする方法もありますが、売上額が大きい企業でないと承認してもらえません。
決済手順
決済の手順も、大きな違いはありません。CAT決済では、紙のレシートを出力して控えを取るのが一般的ですが、モバイル決済の場合、メールでデジタルレシートを顧客に送信できます。別売りの専用レシートプリンターを購入すれば、紙のレシートを印刷することもできます。
手順⑤ですが、顧客のクレジットカードの種類によっては、PIN番号と呼ばれる暗証番号を入力してもらいます。どちらも、顧客本人がカードを使っているという確認のために行います。少額決済の際は、本人確認を行わなくて良い場合もあります。
カードリーダーのタイプ - CAT決済とモバイル決済
CAT決済とモバイル決済は、カードリーダーのタイプに違いがあります。
クレジットカードリーダーの主なタイプ
CAT決済 | モバイル決済 | ||
---|---|---|---|
据置型 | ポータブル型 | Bluetooth型 | イヤホンジャック型 |
CAT決済のカードリーダー
CATには、据置型とポータブル型があります。据置型はレジ横に固定するタイプのもので、ポータブル型は持ち運びが可能なタイプです。屋外などではポータブル型のカードリーダーが活躍します。
モバイル決済のカードリーダー
Squareがイヤホンジャック型をメインで提供していましたが、今では同社もBluetooth型がメインになっています。現在は、Bluetooth接続が主流です。
カードリーダーの価格
一台あたり10万~20万円程度が、CATの相場といわれています。一方、モバイル決済に対応しているカードリーダーの価格は5,000~2万円ほどです。ただ、このカードリーダーは、各社実質無料で提供するキャンペーンを行っています。手持ちのタブレットやスマホを利用すれば、端末の初期費用は無料でサービスを導入できるわけです。
接続回線の違い - CAT決済とモバイル決済
クレジットカードの決済をするには、顧客のカードが決済を行える状態なのか、カード会社に確認を取る「オーソリ」を行う必要があるのでした。オーソリはオンラインで行う必要があるので、CATやモバイル端末をネットに接続しなくてはなりません。
オーソリをする際の主な接続回線
CAT決済 | モバイル決済 | ||
---|---|---|---|
据置型 | ポータブル型 | モバイル通信 無線LAN | |
アナログ回線 ISDN回線 光回線 有線LAN | モバイル通信 無線LAN |
CATの接続回線
据置型CATの場合、電話回線(アナログ回線、ISDN回線、光回線)か、LAN回線を利用します。一般的にインターネット回線よりも電話回線のほうがセキュリティが高いとされているので、カード情報を扱う上では安心です。
ただ、ケーブルを使って接続をするため、ごちゃごちゃとした印象を受けやすいです。最近では、無線での接続が可能な端末も増えてきています。
ポータブル型は持ち運べる仕様のため、ケーブルでつなぐ必要はありません。ほとんどが4GやLTEなど、携帯電話会社が提供しているモバイル通信を利用するタイプです。
モバイル端末の接続回線
モバイル決済の場合、使用するタブレットかスマホがネットに接続してあればオーソリを行うことができます。Wi-Fiなどの無線LANか、4GやLTEといったモバイル通信でネットに接続します。
接続にケーブルを使わないので、レジ周りをスッキリと見せられます。ネット環境がなかったとしても、開通に工事は不要なので手軽に導入できます。早ければ即日開通することも可能です。
通信料の月額料金
CAT決済の場合、決済代行会社を介して接続回線を契約するケースが多いです。その際のプランによって月額料金が異なります。
一方、もともと通信契約を結んでいる手持ちのスマホなどでモバイル決済を利用するなら、今までと同じ月額料金を払うだけ。新たなネット回線の契約をしないので、ランニングコストが抑えられます。
CAT決済とモバイル決済の違いのまとめ
クレジットカード決済を導入する方法は、従来型の端末であるCATを使った「CAT決済」と、スマホやタブレットを使う新しい方法「モバイル決済」がありました。両者の違いをまとめておきます。
CAT決済とモバイル決済の比較
CAT決済 | モバイル決済 | ||
---|---|---|---|
用意するもの | CAT | モバイル端末 専用カードリーダー | |
導入方法 | ① 決済代行会社に申し込み ② 審査開始(数週間~1か月) ③ 通過後、配線工事を実施 ④ CAT設置 | ① 公式サイトで申し込み ② 審査開始(当日~2週間程度) ③ 通過後、アプリをインストール ④ モバイル端末とリーダーを接続 | |
導入までの期間 | 1~2ヶ月(工事期間を含む) | 当日~2週間程度 | |
決済手順 | ① CATで顧客のカード情報を取得 ② 金額や支払い回数を入力 ③ オーソリでカードの有効性を確認 ④ 売上票(レシート)を出力 ⑤ 顧客からサインをもらって決済完了 | ① モバイル端末のアプリで金額を入力 ② カードリーダーでカード情報を取得 ③ オーソリでカードの有効性を確認 ④ 売上票(レシート)を出力 ⑤ 顧客からサインをもらって決済完了 | |
カードリーダーの種類 | 据置型 ポータブル型 | Bluetooth型 イヤホンジャック型 | |
カードリーダーの価格 | 約10~20万円 | 5,000~2万円 →実質無料 | |
接続回線 | 据置型 | ポータブル型 | モバイル通信 無線LAN |
アナログ回線 ISDN回線 光回線 有線LAN | モバイル通信 無線LAN |
CAT決済はオーソリに電話回線を使うのがいまだに主流なので、配線の工事をすることがあります。また、カードリーダー端末も10万円以上かかり、導入するにはそれ相応の資金が必要です。
一方、モバイル決済の場合、手持ちのタブレットやスマホを使って最短即日でサービスを導入できます。各社のキャンペーンにより、カードリーダーは実質無料で手に入るため、大幅にコストを削減できます。