軽減税率対策補助金でPOSレジ導入

更新日 2020年8月31日

軽減税率対策補助金について解説

2019年10月1日から消費増税と同時に「軽減税率制度」も実施されました。事業者はこの制度に対応するレジシステムを用意する必要があります。そこで「軽減税率対策補助金」を利用することで、レジシステムの見直しにかかる費用を最大75%負担してもらえます。補助金申請のハードルは低めで、個人事業主でも補助金を受け取ることができます。
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レジシステムの導入をサポートする「軽減税率対策補助金」

2019年10月1日から消費増税が実施されました。消費税率が現行の8%から10%に引き上げられ、それと同時に「軽減税率制度」も実施されました。軽減税率制度とは、消費増税(10%)を実施しても、食料品など対象となる商品の消費税率は8%に軽減される、というもの。

8%と10%両方の税率を扱うことになるので、小売店や飲食店はそれに対応したレジシステムを準備しなくてはなりません。しかし、レジシステムを新たに導入したり、もともと使っているシステムを改修するには、それなりのコストがかかります。

そこで、複数の税率に対応するレジシステムの準備費用をサポートするために「軽減税率対策補助金」が誕生しました。大きく分けて「A型」「B型」「C型」の3種類があります。

軽減税率対策補助金の種類

本ページでは、レジシステムの導入を支援する「A型」について説明しています。A型は、レジの種類などによって申請方式が6つに分かれます。

「軽減税率対策補助金」A型の補助対象

A-1型レジ・導入型複数税率に対応しているレジ(POSレジではない)の導入費用
A-2型レジ・改修型複数税率に非対応のレジを、対応レジに改修する費用
A-3型モバイルPOS
レジシステム
複数税率に対応したPOSレジ(スマホ・タブレット・PC)+周辺機器(レシートプリンターなど)の導入費用
A-4型POSレジシステムPOSレジシステムを複数税率に対応するよう導入・改修する費用
A-5型券売機券売機を区分記載請求書等保存方式に対応するよう導入・改修する
費用
A-6型商品マスタの設定制度の実施前に複数税率に対応しているレジなどの商品マスタ設定をする費用

「軽減税率対策補助金」A型を申請できる事業者は?

「軽減税率対策補助金」のA型は、複数の税率に対応するレジを持っていない事業者をサポートしてくれます。補助金を受け取れるのは、下記の両方に当てはまる中小企業・小規模事業者です。法人だけでなく、個人事業主も下記に当てはまれば申請できます。

  • 複数税率の対象となる商品を取り扱っている
  • 現在、複数税率に対応しているレジを保有していない

中小企業・小規模事業者の定義は、以下のとおり(「中小企業支援法」で定められている事業者)。中小企業者については「資本金額または出資総額」「従業員数」のどちらかに当てはまっていればOKです。

卸売業サービス業小売業
中小企業者資本金額または
出資総額
1億円以下5,000万円以下5,000万円以下
従業員数100人以下100人以下50人以下
小規模事業者従業員数5人以下5人以下5人以下

「従業員数」に個人事業主や法人の役員、臨時の従業員は含まれません。場合によっては、パートやアルバイトの人数も含まないことがあります。

補助の対象になる経費とその補助率

レジシステムの導入にかかる経費全般が補助の対象です。タブレットやレシートプリンターなどといった機器だけでなく、レジの設置やシステムのセットアップなどにかかる費用もサポートしてくれます。

軽減税率対策補助金の補助率グラフ

タブレット端末とレシートプリンターはセットで申請

タブレット型POSレジの導入によって補助金を申請するには、POSレジとして使うタブレットだけでなく、レシートプリンターの用意も必須です。事業者は商品ごとの税率を記載したレシートを顧客に渡さなくてはならないからです。

iPadなどのタブレットは50%の費用が、レシートプリンターやキャッシュドロアなどの周辺機器は75%の費用が補助金で返ってくるので、例えば以下のような割引になります。

  • 37,800円のiPad → 補助金によって実質18,900円に
  • 36,900円のレシートプリンター → 補助金によって実質9,225円に

本例では、通常74,700円かかるところを、46,575円の補助金が得られ、実質28,125円の負担だけで軽減税率に対応したレジシステムを導入できるということになります。

下記のようなものが補助金対象になりますが、補助金対象となるのは軽減税率対策補助金事務局に登録されている製品のみです。

  • タブレット・スマートフォン
  • レシートプリンター
  • バーコードスキャナー
  • キャッシュドロワー
  • クレジットカード決済端末
  • Wi-Fiルーター

補助金には上限が定められている

レジシステムの導入費用を最大で75%も助けてくれる「軽減税率対策補助金」ですが、補助金の金額には上限が定められています。

軽減税率対策補助金の上限
  • 補助金の上限は「レジ1台あたり20万円まで」
  • 3万円未満のレジであれば、価格の80%を補助金で受け取れる
  • レジシステムを複数台導入する場合は「1事業者あたり200万円まで」
  • 「1店舗あたり」ではなく「1事業者あたり」

タブレット型POSレジの場合、タブレットだけでなく周辺機器(レシートプリンターなど)も含めた1セットで計算します。制度の趣旨からいって「税率を記載したレシートを発行する必要がある」ので、レシートプリンターも必須ということです。

レジシステム自体だけでなく、機器を設置するための運搬費なども補助の対象になっています。 これはレジシステムの上限金額とは別に「1システム20万円まで」の補助が受けられます。

補助金を受け取るまでの流れと申請方法【すでに終了】

補助金の申請には期限が設けられているので、早めに準備しておきましょう。軽減税率の実施日が2019年10月1日(火)なので、事業者はそれよりも早くレジシステムを導入する必要があります。

軽減税率対策補助金の申請期間

B-1型のみ、申請期間は2019年6月28日まで(事前申請)

補助金の申請受付期限は2019年12月16日(月)まで。これは、あくまでも申請の締切です。レジや周辺機器の導入は、2019年9月30日(月)までに完了させなくてはなりません。

「軽減税率対策補助金」を申請する方法

「軽減税率対策補助金」を申請する方法は、下記のいずれかです。

  • 事業者自身が直接申請する
  • 指定ベンダー(レジメーカーなど)による申請サポートを受ける

指定ベンダーによるサポートを受ければ申請が簡単

申請書や導入費用の明細など必要な書類が多いので、直接申請はおすすめできません。もっと簡単に補助金の申請をできるようにと、指定ベンダーがさまざまなサポートを提供しています。申請手続きの大部分を代理で行ってくれるところもあります。 人気POSレジ5社は指定ベンダーになっているので、補助金申請のサポートを受けることができます。

まとめ - 軽減税率対策補助金の利用でお得にPOSレジを導入できる

2019年(令和元年)10月1日から「軽減税率制度」が実施されました。それにともない、軽減税率の対象になる商品(テイクアウトの食料品など)を扱う事業者は、制度が実施される前に、複数の税率に対応しているレジシステムを導入しなくてはなりません。

「軽減税率対策補助金」を利用すれば、タブレットやレシートプリンターなどの購入費用のうち、最大75%を補助金として受け取れます。

軽減税率対策補助金の補助率グラフ

ただし、補助金には上限があります。「レジ1台あたり20万円まで」と定められており、タブレット型POSレジの場合は周辺機器も含めて計算します。また、レジシステムを複数台導入する場合は「1事業者あたり200万円まで」補助金が受け取れます。

軽減税率対策補助金の上限

補助金の申請締切日は、基本的に2019年12月16日まで。しかし実際の導入は、2019年9月30日まで(軽減税率制度が実施される前)に済ませておく必要があります。

軽減税率対策補助金の申請期間

B-1型のみ、申請期間は2019年6月28日まで(事前申請)

個人事業主でも、条件に当てはまれば補助金を申請できます。リーズナブルに最新のPOSレジシステムをそろえられるチャンスです。軽減税率制度が実施する前に、準備を整えておきましょう。

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