個人事業で源泉徴収を「する側」と「される側」
更新日 2024年7月17日
源泉徴収とは?
個人事業主の源泉徴収についてまとめました。 支払い側と受け取り側に分けて、個人事業主の源泉徴収を説明しています。
- 源泉徴収(げんせんちょうしゅう)とは?
- 源泉徴収とは、給与や報酬などの支払い側が、あらかじめ所得税を差し引くこと。 差し引いた税金は、支払い側が税務署に納付しておく。源泉徴収される税金を、正確には「源泉所得税」と呼ぶ。 一般には「源泉徴収税」などと呼ばれる。
会社員の場合は、毎月給料から源泉所得税が差し引かれています。 会社が毎月の給料から源泉所得税を徴収して、代わりに国へ納税しているのです。
通常、税金は国や地方自治体が直接徴収しますが、 「源泉徴収が必要な報酬・料金等」は、支払い側が税金を徴収して納付する義務を負います。 国からすると「取りっぱぐれたくないから、よろしく」ということです。
個人事業主の場合は、給与や報酬を支払って源泉徴収をする場合と、 報酬などを受け取る際に源泉徴収される場合があります。個人事業主の場合は、こちらの源泉徴収される側の方が多いです。
源泉徴収をする側の個人事業主
簡単にいうと、従業員がいて給料を支払っている個人事業主は源泉徴収をする必要があります。 一方、従業員がいない個人事業主は、たとえフリーランスの取引先への支払いであっても、源泉徴収をする必要がありません。
下記の記事では、個人事業主が従業員へ給与を支払う場合や、取引先への報酬などを支払う場合の情報についてまとめています。
- 給与や報酬を支払う側が行う源泉徴収
- 個人事業主で、源泉徴収をする義務がある場合・ない場合
- 個人事業主が従業員を雇う時の手続き
- 従業員の社会保険 - 厚生年金と健康保険
- 従業員の労働保険 - 労災保険と雇用保険
- 従業員へ給与を支払う時の源泉徴収や仕訳方法
- 年2回にまとめて納付「源泉所得税の納期の特例」
- 源泉徴収税額表の見方 - 給与の源泉徴収税額をもとめる方法
- 外注先のフリーランスへ報酬を支払う時の源泉徴収
- 支払調書とは?個人事業主の支払調書をわかりやすく
- 源泉所得税を納付する窓口、納税期限、納付書の書き方など
- 子ども・子育て拠出金とは?
源泉徴収をされる側の個人事業主
あなたの仕事が源泉徴収の対象となるもので、なおかつ支払側が源泉徴収義務者の場合は、 報酬から源泉所得税を差し引かれた金額が、実際に振り込まれる手取り金額となります。報酬の支払い金額が100万円以下の場合は、報酬額に10.21%をかけた金額が源泉徴収税額となります。
- 手取り報酬の一般的な計算式
- 請求金額 − 源泉所得税(10.21%) = 手取り報酬
こちらでは、個人事業主が仕事を受注した場合の情報についてまとめています。個人事業主のあなたの仕事が源泉徴収の対象になる場合、源泉徴収から確定申告までの流れをおおまかに説明すると下記のようになります。
源泉徴収から確定申告まで
- 取引先に請求書を送る場合は、10.21%の源泉徴収税も明記する
- 取引先から報酬が支払われるたびに「10.21%」が源泉徴収される
- 取引先が、源泉徴収した税金をあなたの代わりに税務署へ納める
- 翌年1月〜2月に、取引先が源泉徴収額をまとめたもの(支払調書)を送付してくれる
- 翌年2月〜3月の確定申告で、支払調書を参照して確定申告書に源泉徴収税額を書く
- 事前に税金を納めすぎていれば、還付される(納めすぎた税金がもどってくる)
上記のように、あらかじめ源泉徴収によって納められた税金が、実際に納税すべき金額よりも多かった場合には、正しく確定申告することにより納めすぎの税金を取り戻すことができます。普段から源泉徴収される個人事業主にとっては、確定申告はその過不足を確かめる作業ということになります。